「セシル、体調が悪いって聞いたけど大丈夫なの?」
「んー……早めに医者に診てもらうから安心してよ。休暇も取ったしさ」
「そう……困った事があったら相談してね? エミリオも心配するから」
いきなり名前を出されたリオンは真っ赤になり、2人から顔を背けた。
マリアンはまた微笑み、紅茶のお代わりを入れる為に少年に背を向ける。
「まったく……マリアンは……」
「平和な証拠だと思うよ?」
「うん……」
平和、確かにそうだと彼は息を吐く。
しかし、
「……この胸騒ぎは……」
「ん、何?」
隣の女性の聞き返しに首を横に振り、きっと杞憂だと自分に言い聞かせる。
談笑を続けていると時間は経ち、セシルは屋敷を後にした。
「…………」
暫く歩き、立ち止まったそこは休憩所。
見上げると、空は変わらず月と星に彩られている。
「……フフッ」
空は、私達のモノ。
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