それから、リオンは今回の任務で起きた出来事を話し始めた。
「……それでさ、スタンの奴僕に……って、2人共何を笑っているんだ?」
饒舌になっていた少年はマリアンとセシルが小さく笑っている事に気付き首を傾げる。
問いに対してはマリアンが答えた。
「だって、エミリオったらとても楽しそうに話すんだもの。」
「え……そ、そうかな……?」
「ええ、スタンさんと仲良しだって事がよく分かるわ」
「なっ……べつに、アイツとはそんなんじゃなくて……! ただ、国の秘密を共有しているだけで、仲が良いとかは無くて……」
違うと断言出来ない所にマリアンは彼の変化を感じる。
少年の隣に座るセシルも彼女の話に頷いていた。
《坊っちゃん形無しですね》
「……うるさい」
シャルティエの言葉にも何処と無くバツの悪そうに答える。
その姿にもマリアンは微笑み、そして心配そうにセシルに訊いた。