休暇を満喫しようとしている彼女の邪魔は出来ないとリオンは考え、提案を撤回する。
それからのんびりと言葉を交わしていると、何時の間にか屋敷が目の前にあった。
「…………」
「緊張する?」
「まあ、少し……」
久しぶりに会う女性はどんな顔で迎えてくれるだろうか。
深呼吸を1つした後、彼はゆっくり自宅に足を踏み入れた。
「……お帰りなさい」
玄関の音に気付いたのか、奥からマリアンが笑顔でやって来た。
「お疲れ様です、2人共」
「ん……ああ、ただいま」
「ただいま、マリアン」
マリアンの案内で2人は奥の部屋に行き、椅子に腰を降ろす。
すぐに紅茶が用意され、同時に口を付けた。
「……ふう、やっぱりマリアンが入れた紅茶が1番だな」
「ホント、帰ってきたって実感するよ」
「フフ、ありがとう」
笑顔を見せた2人に、マリアンも笑顔を見せる。
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bkm
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