「では皆さん、お世話になりました」
「道中気を付けてね。……君なら大丈夫だとは思うけれど……」
「…………」
彼女の“秘密兵器”を見た事がある者達は、セシルの言葉に同意するしか選択肢はない。
フィリアは王等と握手を交わした後挨拶をし、教徒達と共に後ろを振り返りつつ城を後にした。
「……やっと、終わったね」
「ああ……」
去り行く姿が見えなくなった時、ヒューゴが2人に声を掛けた。
「私はこれからの事についてを話し合う為会議に出る。お前達は屋敷に戻っていなさい」
「……分かりました」
父と眼を合わせずリオンは従い、セシルと共に王と将軍に一礼し屋敷へと足を進める。
空はすっかり夜に染まっていた。
「何だか気が抜けたね……暫く反動が凄いかも」
「大丈夫か……? 暫く屋敷に止まっても構わないんだが……」
「んー……嬉しいけど、家に居る方が良いかもしれない。たまには買い物とかさ、しようかなーって思ってたりするから」
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bkm
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