フィリアの言葉にセシルは短く言葉を返し、門で待っているらしい教徒の下へと向かう。当然王やヒューゴ等も見送る為に同行する。
「ふぅ……何だか胸が一杯です」
《ほっほっ、貴重な体験を山程したからのう》
「神殿云々じゃなくても、普通は体験出来ない事ばかりだったからね」
移動の途中、自分の胸を押さえるフィリアにクレメンテとセシルは軽く笑う。
リオンは心の中で、彼等の話に同意していた。
「フィリアなら時間さえあればダリルシェイドに来れるね」
「はい、これからは引き込もってばかりではなく、外の世界を見る為に旅をする計画を立てようと思うのです」
《それは良い考えじゃな。より一層良い女子……じゃなくて、神官になれるじゃろう》
セシルとリオンは、クレメンテがフィリアの傍に居る事に不安を覚える。
しかしそれを口に出す事が出来ぬまま門に到着した。そこには数人の教徒と、護衛の兵士2人が待っていた。
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