「フッ、この僕にそんな暇があったらな」
「まあ私もとっても忙しいですらからねェ、時間が合えば良いですねェ」
一体彼等は何を競いあっているのか、セシルとウッドロウは苦笑する。
一通り挨拶が済んだ所で、兵が声を掛けてきた。
「皆様、そろそろ飛行竜に……」
別れの時間、そう改めて教えられた3人はゆっくり飛行竜内へと進む。その途中スタンとチェルシーが手を振り、セシルとフィリアが同じ動作で応えた。
何もしないリオンも、去り行く彼等をしっかり見送っている。
「では、飛行竜から離れてくださーい!」
搭乗員が全員乗り込み、見送りの人々は飛行竜から距離を取った。そして長めのサイレンの後、竜は翼を羽ばたかせ夜空へと飛ぶ。
その際起きた強風が起きたが、皆はファンダリアへと向かう飛行竜を見続けた。
「……行ってしまわれましたね」
「そうだね……フィリアはすぐに出発するのかい?」
「はい、神殿の皆に早く報告をしたいので」
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