「わあ、綺麗ですねェ……!」

「はい、本当に……!」


 チェルシーとフィリアは感激し見上げるのは、夕日に照らされたセインガルド城。

 それはセインガルドの民の誇りを象徴するに相応しい雄大な姿。


「でも、ハイデルベルグのお城だって負けてないんですから! ね、ウッドロウ様」

「そうだな……この国に負けてはいられないな」


 イクティノスに手を添えファンダリアの王は誓う。

 その直後、ディムロスが言った。


《おい、ルーティはどうした?》

「え?」

「あら……先程まで確かに此処に……」


 フィリアの言葉をキッカケに皆周りを見渡すがルーティの姿は見当たらない。

 まさかもう、と誰かが言おうとする前に城から兵士が出て来た。


「飛行竜の準備が完了しました。発着場までご案内します」

「あ……」


 スタンが小さく声を上げる。

 それを聞いたリオンが、城の門番に駆け寄り声を掛けた。


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bkm

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