一瞬の緊張感の後、彼女は一転して笑顔を見せた。
「すぐ体調崩してしまうからね、これから長期休暇を取る予定だし」
「あー……それもそうね」
納得はしたが、何処か違和感が残る。しかしルーティは頷き笑みを見せた。
問い詰めるべきではない、そう本能で感じる。
「失礼します」
控えめなノックの後に、兵が部屋に入って来た。
彼は敬礼をし報告する。
「もうすぐ飛行竜の準備が整いますので、準備をお願いします」
飛行竜に乗るのはスタン、ウッドロウ、チェルシーの3人。フィリアは街に滞在しているアタモニ神団の教徒と共に大神殿に戻るという。
ルーティだけハッキリしていないが。
「じゃあ外で待ってようか、ずっと部屋の中じゃ息が詰まるし……空、綺麗だしね」
「……そうだな、どうせする事も無いしな」
皆荷物を纏め、客員剣士の2人と共に城の外に出た。
空は、美しい夕焼けに染まっている。
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