一般人と行動を共にしている事を指摘されたくないのか、リオンは話を終わらせようとする。
だが、スタンが自己紹介を始めてしまった。
「はじめまして、俺スタン・エルロンって言います」
横目でリオンが彼を睨み付ける。
しかし、将軍の反応は意外なモノだった。
「エルロン……? もしかして君は、トーマス・エルロンの……」
「え、じっちゃんを知ってるんですか? トーマス・エルロンは俺の祖父です」
「何と、彼の孫か……!」
驚いたのは将軍だけではない。スタンは当然、リオンを含めた他の者達もだ。
ルウェインは嬉しそうな笑顔を見せる。
「実は私、彼に命を救われた事があるのですよ」
「ぇえ!? じゃあ、じっちゃんがよく話してた上官っていうのは……」
「恐らく私の事でしょうな。いやぁ、彼の孫に会えるとは……。彼と……お婆様はお元気で?」
「はい、じっちゃんは病気知らずで元気一杯です。ばっちゃんは、もう亡くなって……」
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bkm
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