20

「リオン」

「……セシル」


 城に入ると玉座の間に続くホールでリオンが待っていた。しかし彼は何処か落ち着きが無く、セシルと眼を合わせようとしない。

 セシルは他の皆を玉座の間に向かわせ、その後ろを歩きながら声を掛けた。


「リオン?」

《坊っちゃんはセシルが他の皆と街に行った事に、ちょっとヤキモチ焼いてるだよ》

「シャル……!」

《本当の事でしょう?》


 確かにそうだ、偽りは無い。

 押し黙るリオンに彼女は苦笑し、軽く手を握った。


「私は、君と一緒に居るよ」

「……! ……ああ」


 横目でだが眼が合い互いに微笑んだ後、ゆっくり手を離し玉座の間へと足を踏み入れる。

 前回と全く同じ顔触れがそこにあった。


「皆、揃ったようだな。では改めて、会議にて決議した案を確認しよう」


 コレで終わりだと誰かが言ったかもしれない。

 確かに終わりだろう、序章は。


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bkm

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