16

 ルーティには気になる事があった。セシルは、どの様な経緯でヒューゴと出会い、客員剣士とまでなったのか。

 天涯孤独、その言葉がいやに自分に突き刺さる。


「そうだ、昔のリオンの写真とか見たくない?」

「写真……いいわねェ、あの仏頂面が昔はどんなだったのか興味津々よ」

「ハハ、本人には内緒にね」


 リビング同様殺風景な寝室に案内されたルーティは、セシルから木箱に入れてあった写真を数枚手渡され確認した。今より小さいリオンと、その隣にセシルが写っている。

 二人共笑顔で、仲が良い様子が窺えた。


「……アイツもこんな顔するのね」

「彼だって人間だからね、楽しければ笑うさ」

「つまり、アイツにとってアンタは特別ってわけ」

「……そう、なのかもしれないね」


 自信無さげに彼女は答えた。

 謙遜にしては、遠慮し過ぎている気がした。


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bkm

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