ルーティには気になる事があった。セシルは、どの様な経緯でヒューゴと出会い、客員剣士とまでなったのか。
天涯孤独、その言葉がいやに自分に突き刺さる。
「そうだ、昔のリオンの写真とか見たくない?」
「写真……いいわねェ、あの仏頂面が昔はどんなだったのか興味津々よ」
「ハハ、本人には内緒にね」
リビング同様殺風景な寝室に案内されたルーティは、セシルから木箱に入れてあった写真を数枚手渡され確認した。今より小さいリオンと、その隣にセシルが写っている。
二人共笑顔で、仲が良い様子が窺えた。
「……アイツもこんな顔するのね」
「彼だって人間だからね、楽しければ笑うさ」
「つまり、アイツにとってアンタは特別ってわけ」
「……そう、なのかもしれないね」
自信無さげに彼女は答えた。
謙遜にしては、遠慮し過ぎている気がした。
prev next
bkm
[back]