セシルの家は静かな住宅区域にある一階建ての小さな一軒家。
皆は彼女の案内でリビングに進んだ。
「はー……何も無いわね」
「買い物はあまりしないし、家は空けてる事が多い食材も買い置きはしないからね」
非常に殺風景であまり生活感が感じられない。凄腕の客員剣士という立場を考えると、それも無理は無いだろうか。
「寝室もこんな感じなの?」
「びっくりするくらい何も無いよ。もう少し服を買ったらどうかって心配されるくらい」
「そりゃ凄いわね……。そういえば、空けてた割には綺麗よね」
「あー……多分マリアンが掃除してくれたんじゃないかな」
主が居なかった家が綺麗な理由に、ルーティは以前会ったマリアンという女性を思い出し納得する。ヒューゴが面倒を見ている客員剣士の家なら、彼が雇うメイドが掃除に来ていてもおかしくはない。
「確か、料理は出来るんだっけ」
「人並みにはね。他の家事だって、やれる事は自分でやるよ」
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bkm
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