後ろから声を掛けられ驚いたルーティは慌てて振り向き、何故か驚いているスタンに目くじらを立て怒鳴った。
「び、びっくりさせないでよ!」
「ごっ、ごめん……真剣な顔してたら、きになっちゃって……」
「真剣って分かるなら、声掛けんなっつーの……」
「ごめん……」
項垂れるスタンから視線を外し、ルーティは再び土産物を物色する。が、立ち去ろうするスタンを呼び止めた。
「アンタも、妹にお土産選んだら? 今ならタダでアドバイスしてあげるわよ?」
「えっ、あ……じゃあ、お願いしようかな」
「フフン、アタシに任せなさい」
女の子が喜ぶ物を選ぶ二人を見ていたのは、何やらガラス瓶が入った紙袋を持ったフィリア。
彼女に声を掛けたのは、セシルにお守りを買ってもらったチェルシー。
「あの二人が気になるのですか?」
「えっ!? いや、そんな事は、私……」
顔を真っ赤にして彼女は否定するが、説得力はまるで無い。
prev next
bkm
[back]