つまりはどうする事も出来ないと、彼女は言う。
スタンは苦笑い、ルーティは歯軋りをする。
「……えっと……お、奢るから、色々見て回ろう……か?」
「……仕方ないわね」
ルーティが納得した所で、店が並ぶ商店区域に彼等は向かう。
「わー、賑やかですねェ。お守り屋さんとかあるでしょうか」
「んー……土産物以外だと、ストレイライズ大神殿で作られたお守りとか売ってたかな」
チェルシーへの返答の中にストレイライズの単語を聞いたフィリアが、遠慮がちに訊く。
「それは、その……どのくらいの人が手に取るのでしょう?」
「どうだろう……売り上げは悪くないと思うけれど」
「そうなんですか……! 良かった……!」
フィリアは手を合わせ、喜びの笑顔を見せる。
その間にルーティは、近くの土産物屋で何やら物色していた。
「……ちょっとくらい贅沢したって――」
「どうしたんだ?」
「わひゃ!?」
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bkm
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