王は次に、ティアラを付けた二人の処分の方針を告げた。
「スタン・エルロン、ルーティ・カトレット、そしてこの場には居ないがマリー・エージェントの三名は無罪放免とする」
まあ当然よね、と呟くルーティをアトワイトがたしなめ、フィリアも胸を撫で下ろす。
そして素直に喜ぶ所か自分が囚人であったのかを忘れていたらしいスタンに、王は話を切り出した。
「してスタン・エルロン、そなたは以前兵士になりたい言っておったな? ヒューゴの薦めもってあってだな、今回の働きを称え、余が直々に仕官を許可しようと思っておるのだが」
「陛下……!」
「良いではないかドライデン。未来在る若者を導くのも年寄りの役目だろう」
「……はっ」
何か思う所があったのか、ドライデンは一礼し進言を止める。
一方スタンは俯き考え、決断し、顔を上げてハッキリと言った。
「すみません、その話、お断りさせてください」
彼の答えには皆驚いた。王も、将軍も、客員剣士も、仲間も、そしてディムロスも。
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