「彼女と初めて会ったのは、彼女の両親が流行り病で亡くなった後でね……先生に弓を教わっていたんだが、唯一の肉親を取られると思われたのか嫌われていたものだ」
「想像もつかないな、今はベッタリだから」
「ハハッ、確かにな」
笑うウッドロウは楽しそうだと、セシルは感じた。
「チェルシーは、ウッドロウに尽くす事が幸せなんだね」
「時々予想だにしない行動をする時もあるが、あの子の存在は大きいな。笑顔を見る度に民達を、彼女の様な笑顔出来たらと思う」
緑が増えてきた大地を見つめ、彼は言った。
賢王とは違う王になる、セシルはそれに興味があった。
まあ、それだけなのだが。
「……ウッドロウ、リオンをどう思う?」
「ん、そうだな……彼はまだまだ伸びるだろう。何れはセインガルド軍を率いる存在になるかもしれないな」
「そうか……うん、良かった」
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bkm
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