同じ刻、二人のやり取りをドアの外で聞いていたセシルは部屋から離れ飛行竜の甲板に出た。
風が強く、一つ間違えれば飛ばされてしまうだろう。
「まあ、落ちた所でどうにでも……」
まだ雪国の中だが太陽は青い空で輝き、暫くすればセインガルドの緑が見える。
終わり、始まる。
「セシル君」
「……ウッドロウ」
甲板に現れたウッドロウは隣に立ち、白い世界を見渡した。
「先程は、チェルシーが不躾な質問をしてすまなかったね」
「いや、女の子だから仕方のない事だと思うよ。
流石に、私とリオンが付き合ってるのか訊かれたのはビックリだけどね」
「本当に……、彼女が大きくなったのだと改めて実感させられたよ」
「ああ、アルバ殿と付き合い長いなら、必然的にチェルシーともか」
セシルの言葉をウッドロウは頷く事で肯定し、深く白い息を吐く。
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bkm
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