確かに彼女の言う通り、酔いが幾分か楽になった。

 心身共に落ち着いた所でふと疑問が浮かび、ツボ押しを続けるルーティに至って自然に質問をする。


「お前……ヒューゴから報酬をせしめたらどうするんだ……?」

「んー、ダリルシェイドでお土産買って、家族のトコに帰るわ」

「家族……」

「そうよー血の繋がりは無いけど――って、余計な事まで言っちゃったわね……」


 そう言って手を離し、ルーティは深い溜息を吐いた。

 気まずい沈黙が流れる。


「じゃあこの際、アタシから質問なんだけどさ」

「な、何だ」

「血の繋がった家族ってどんな感じなの?」


 一瞬鼓動が速くなり、手に汗が浮かんだ。触られていなくて良かったと思いながら少年は、表面上は呆れた様子で答えた。


「それを僕に訊くか」

「確かに愚問だったかもね。どう見ても家族って雰囲気じゃないもの」

「あんな奴を父親と思うなんて、天地が返っても有り得ないな」


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bkm

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