突然、シャルティエの言葉を遮る様にして村の奥が騒がしくなった。
「何だ……、まさか……」
「やれやれ……一応、確認に行こうか」
セシルの支持にリオンは頷き、皆でそこへと向かう。
村の奥の広場には人だかりが出来ており、その中心に二人の男と一人の女が居た。
「俺達こそかの伝説の!」
「伝説の!」
リーダーらしき男の言葉を合図に三人組は歌う。
「俺達漆黒、漆黒の翼、伝説の勇者、イェイ!」
「何なんだ……?」
伝説の勇者を名乗る三人組にセシルが首を傾げていると、スタンが突然何かを思い出した様な声を上げた。
「ああ! 皆さんあの時の!」
「うん? 君は……何処かで会ったかな?」
一歩前に出たスタンにリーダーは顎に手を当てる。
対してスタンは笑顔を崩さずに話を進めた。
「ジェノスで会ったじゃないですか。
あれ、でも確かあの時はレンズ――」
「ああーー!! 知らん知らん、我々は君とは初対面だ! 誰かと間違えているのではないかね!?」
prev next
bkm
[back]