19

 目的は一つとなり、皆は意識を神の眼に集中した。


《まったく……仕方ないな》

《あら、私達昔にも同じ体験した気がするわよ?》

《やっぱりそうだよね? ディムロスとスタンって》

《息がピッタリなのも頷けるのう》

《お前達……》


 ディムロスは呆れつつも、自分を手にするスタンに委ねる。

 それぞれの攻撃は開始され、時計塔に再び激しい音が響く。


「――無駄骨とはこういう事だな」


 数時間後、夜が訪れた時計塔でリオンは忌々しく呟いた。隣のセシルは苦笑する。


「傷一つ付かなかったからね……、スタンが諦めたんだから相当だよ」

「コレが天然物だというのが納得出来る硬さだな。人工物だったら傷くらいは付くものだ」

「ダイヤより硬くて、莫大なエネルギーを持っていて、観賞にも……は大きいか」

「疲れてるだろ」


 リオンの指摘に、セシルは軽く頷いた。

 目の前では兵士達によって神の眼が飛行竜に積まれている。


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bkm

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