目的は一つとなり、皆は意識を神の眼に集中した。
《まったく……仕方ないな》
《あら、私達昔にも同じ体験した気がするわよ?》
《やっぱりそうだよね? ディムロスとスタンって》
《息がピッタリなのも頷けるのう》
《お前達……》
ディムロスは呆れつつも、自分を手にするスタンに委ねる。
それぞれの攻撃は開始され、時計塔に再び激しい音が響く。
「――無駄骨とはこういう事だな」
数時間後、夜が訪れた時計塔でリオンは忌々しく呟いた。隣のセシルは苦笑する。
「傷一つ付かなかったからね……、スタンが諦めたんだから相当だよ」
「コレが天然物だというのが納得出来る硬さだな。人工物だったら傷くらいは付くものだ」
「ダイヤより硬くて、莫大なエネルギーを持っていて、観賞にも……は大きいか」
「疲れてるだろ」
リオンの指摘に、セシルは軽く頷いた。
目の前では兵士達によって神の眼が飛行竜に積まれている。
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