今は彼は何と言っただろうか。他の面々の様子を見るに聞き間違いではないらしく、セシルとシャルティエも呆然としている。
グレバムが死んだ上に、神の眼を壊すと彼は確かに言ったらしい。
「……馬鹿かお前は! 国家機密であり、国の遺物でもあり、そして何より国王から“絶対”に回収せよという勅命が降ってるんだぞ! 破壊なんて以ての外だ!」
「でもコレがあるから色んな人が哀しむなったんだろ!? こんなの無い方がいいじゃないか!!」
「そうかも、しれないが……!」
スタンの言っている事は正論だ。人を不幸にするから封印され、そんな力があるからグレバムが狙ったのだろうから。
しかし彼は客員剣士、認めるわけにはいかなかった。
「第一、こんな巨大なレンズそう簡単に破壊出来る筈が無いだろう!」
《リオンの言う通りだ》
賛同したのはディムロス。
《破壊出来るのなら、今の世には存在していない》
「でも!」
《無理なモノは無理だ! 我等もお前と同じ考えで神の眼の破壊を試みたのだ! だが……!》
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bkm
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