15

「おい! ……チッ、もう息が無いか……」


 新たな疑問を抱きつつ立ち上がり、セシルを見る。

 彼女は少年と眼が合い、困った様に笑った。


「閣下に怒られるかな、グレバムを生け捕りに出来なかった事……」

「恐らくはな……。しかし……」

《グレバムの最期の言葉ですか?》

「ああ……ただの虚勢か、それとも――」


 裏に何かあるのか。

 それを確かめようにも本人は死亡しており、調べるとなると此処から先は軍が引き受ける事になるだろう。

 だから、


「勝利の余韻に浸りたいものだが……、アイツ等は何をやってるんだ?」

「さあ……?」


 神の眼の傍で何やら話し合いをしている彼等に二人は歩み寄る。

 真っ先に二人に気付いたスタンが、訊かれる前に彼等の状況を興奮気味に伝えた。


「あのさ、神の眼を壊せないかって話してたんだけど」

「…………は?」


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bkm

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