14

「結局自滅か……」

「悪党の末路なんてこんなモノだよ」


 動かないグレバムの身体を他の仲間に任せた神の眼から離す為にリオンとセシルが運び容体を確認したが、既に虫の息。包み隠さずに言えば、もう助からない。

 神の眼に弾かれた飛行竜は、城から少々離れた雪原に着陸している。


「やれやれ……これじゃあ何も聞き出せないね……。性格を考えると、部下の方を責めても何も出ない確率の方が高いだろうし」


 溜息を吐きセシルが腰を上げた瞬間、グレバムが身体を震わせながらゆっくりと顔を上げ、掠れた声でリオンを笑った。


「ククッ……満足で、あろうな……」

「何……? 貴様、何を言っている」


 死の間際の強がりにしては、要領を得なさ過ぎる。しかし確かに此方を嘲笑い、見下している。

 一体彼は、何が言いたいのか。


「……なるほどな……所詮、貴様等も――」


 その時グレバムは見た、自分を見下ろす女が不適な笑みを浮かべている事に。


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bkm

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