それは長い時に感じたが、実際は一分にも満たなかった。
突然エネルギー光は消え、その中心に居たグレバムはイクティノスを落とし、自身も前に倒れた。
《……こうなる事は眼に見えておったわい。あんな力、人間に扱える筈が無いのじゃ》
神の眼の輝きも消え、時計塔は静寂を取り戻す。
ウッドロウが一番に駆け出し、イクティノスを手に取った。
「イクティノス! しっかりしろ、イクティノス!」
彼からの返事は無く、皆に新たな緊張が走る。
まさか、という考えが生まれ始めた時、アトワイトが静かに告げた。
《どうやら言語機能が破損しているようね。話したくても、話せない状態よ》
「治せないのか?」
《今の時代の設備では不可能ね……》
スタンの質問に対し彼女は落胆に近い声で答える。
完全に失われなかった事を喜ぶべきか、それとも、
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bkm
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