近づこうにも神の眼が引き寄せられている事でグレバムの力は増し、その影響か皆動けない。
飛行竜は神の眼ごと再び離れようとするも、先程よりも放出されているエネルギーが大きく機体は悲鳴を上げる寸前、だった。その前に後ろ脚は神の眼を離してしまい、再びそれはグレバムの頭上に舞い戻る。
「神の眼よ! 私に力を!」
放出されていた神の眼のエネルギーは一点に集中し、そして真下のイクティノスへと向かう。当然、彼を手にしているグレバムもその影響下にあるだろう。
二人の叫びが、エネルギー光の中に響く。
《奴め、イクティノスに直接神の眼のエネルギーを注ぎ込むつもりか!》
《エネルギー放出に続いて、こんな事……!》
《坊っちゃん!》
「分かっている! 分かって、いるが……!」
身体が動かない。感じた事の無い“未知”に恐怖している。
皆同じで、歯を食い縛った。
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bkm
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