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 千載一遇のチャンスとでも言うのだろうか。

 皆はグレバムを取り囲み、武器を向ける。


「投降しろグレバム、今なら無傷での捕縛で済ませてやる」

「…………」


 神の眼を掴んだ飛行竜は時計塔から離れ、周りを大きく旋回している。

 逃げ場なんて存在しない。ソーディアンの力は確かに凄いモノだが、そのソーディアンは此方に4本ある。

 結末はすぐそこまで来ていた。


「――私が負ける事など有り得ん」


 この状況下で、この男は一体何を言っているのだろうか。

 最後の悪足掻きにしては、眼に力がある。


「神の眼がある限り、私は無敵なのだ!!」

「なっ……!」


 グレバムは叫び、イクティノスを掲げた。呼応する様に神の眼は輝き、飛行竜ごと時計塔に引き寄せていく。


「な、んだ……!?」

《イクティノスのエネルギーを無理矢理引き出しているんだわ! どうして彼にこんな事が!》

《これではイクティノスが……!》



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bkm

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