「この僕があんな男に負けるなどと、あってはならない事だ!」
「そうだ! アイツを捕まえなきゃ頑張ってきた意味無いだろ!」
叫ぶ二人にまるで答える様に咆哮は聞こえた。
だがそれは始祖竜のモノではない。皆が周りを見渡すと、“それ”は来た。
「――飛行竜!?」
間違い無くそれはセインガルドが所有し、そして唯一今の世に現存する飛行竜“ルミナ・ドラコニス”。
飛行竜は勢いを殺す事なく始祖竜に突進し雪原に叩き付けた後上昇、旋回し、再び時計塔に向かって来た。
流石のグレバムも、驚いた様子を見せている。
「まさか……ダリスか?」
「じゃあマリーも!?」
ウッドロウの呟きにルーティは声を上げた。
グレバムが“何か”をしようとイクティノスを掲げたがそれよりも速く飛行竜は時計塔に到着し、両の後ろ脚で神の眼掴み上昇する。
「何ィ!?」
想像もしていなかった出来事にグレバムが叫ぶ。
prev next
bkm
[back]