「じゃあ、神の眼を動かすっていうのは?」
妙案だとは思うが、シャルティエの言葉がそれを否定する。
《今の神の眼はエネルギー放出状態です。当然触ったら危ないし、必要以上に刺激したりして暴走したりしたら……その……》
言い難いのか少々言葉を濁していると、リオンに急かされた事でハッキリと彼は言った。
《街が吹っ飛ぶかも……》
皆の頭から今の神の眼をどうこうする案は消え去る。
しかしそれは、八方塞がりを意味していた。
「此処まで来て打つ手無しだと……?」
現実をリオンが呟く。
それを否定したのは言った本人であるリオンと、スタン。それもほぼ同時に、彼等は叫んでいた。
「そんな事認めてたまるか!」
「諦めてたまるか!」
それに人知れず一番に驚いたのはセシル。
何故そんな事が言えるのか、そして何故他の者達も同じ眼をし始めたのか、彼女には理解出来なかった。
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bkm
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