《せめてグレバムを神の眼から遠ざける事が出来れば……》

「どういう事だ、それは」


 ディムロスの呟きにリオンがすかさず意味を問うと、彼は少々間を空けた後冷静に語り始めた。


《イクティノスも気付いた様だが、ヤツはバティスタの様に直接身体強化をしてはいるが、それは最低限のモノだ。それ以上は神の眼の力を一時的に“借り受けている”だけ。
 例えを言えばお伽噺なんか出てくる伝説の装備を“着けている”だけであり、力の核は飽くまで神の眼だから近くに無くては真の効果は発揮しない》

「なるほど……バティスタの様に自滅しない為の安全策というわけか。賢いが姑息で厄介で、神の眼という絶対に近い力をバックに置いている奴だから可能な方法だな」

「つまりグレバムを神の眼から離せばいいんだよな?」

「それが出来たら、こんな苦労はしないんだがな」


 スタンの言葉は正しいが、強かな男が神の眼の傍を離れるわけがない。生体兵器を召喚し、此方を徐々に追い詰めようとしているのが分かりやすい証拠だ。


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bkm

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