フィリアの術が始祖竜に直撃し風が止んだ直後セシルは力で刃を弾き、一撃を返そうと踏み込む。しかし予想通り敵は一瞬で攻撃範囲から逃れ、入れ替わる様にして前衛の三人が体勢を立て直すべく後衛に退いて来た。
その最中に始祖竜が、尾で残った天井を落としに掛かった。
「クソッ! デカブツが、――!!」
落下する瓦礫と化した天井を避ける中でリオンが眼にしたのは、揺れる足下とすぐ傍に落ちた瓦礫が原因で体勢を崩したルーティと、彼女の真上から落ちる瓦礫。
考えるより先に、身体は動いていた。
「ルーティ!!」
ほぼ無意識に彼女の身体に手を掛け、落下点から共に脱出する。
「このノロマ! 世話を焼かせるな!」
「あ……う、うっさいわね! ちょっと足が縺れただけじゃない!」
口論を続けながら二人は瓦礫をかわしていく。
器用、という言葉があっているのかどうかスタンを除く皆は思う。
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bkm
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