この時代に飛行竜以外の生体兵器が現れるなんて、フィリアの言葉にはそんな意味が込められているのだろう。

 閉じた口から炎を洩らす始祖竜を前に、皆は息を飲む。


「貴様……、コレ以上の暴挙を許すと思うな」

「許しなんぞいらんわ。私は――」


 イクティノスを握り、グレバムは言ってのけた。


「全ての頂点に立つのだからな!!」


 欲望の言葉と共に突風が皆を襲う。それに乗せる様にして始祖が炎を吐いた。

 風により範囲を広げる炎をフィリアが晶壁で防ぎ、一撃を凌ぐ。


「こんなのをどうやって相手しろってのよ……!」

「グレバムを止める以外にあるか!」


 先陣を切ったリオンにスタンとウッドロウが続く。援護にチェルシーが矢を射るが、風に負け飛ばされてしまう。

 三人は風には負けずグレバムと距離を詰めるが、イクティノスを構えた男が突然彼等の前から消えた。


prev next

bkm

[back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -