先に飛行竜を抑えるべきかともリオンは思ったが、中にどんな人間が何人居るか分からない以上下手に巨大生体兵器を刺激するわけにはいかない。
最後の決断は決まり、リオンは伏せていた顔を上げた。
「余程無茶をしない限り、裏手から時計塔まで飛ぶには大回りに旋回しなければならない。やはりグレバムを捕った方が早いだろう」
「じゃあ、このまま時計塔だな」
意気込むスタンに続き、皆も頷く事で先の戦いへの決意を見せる。
「マリー、あの馬鹿男はアタシがボッコボコにするから安心して」
「ああ……頼むぞ、ルーティ」
迷いが晴れた笑顔で彼女は託した。
ダリスも差し出されたウッドロウの手を握り、想いを伝える。
「奴は狡猾な人間だ……気を付けてくれ」
「心得た。君も、気を付けてな」
決意は一つになり、そこに今度こそという気持ちも交わる。
少年は横目で彼女を見た後、静かに口を開いた。
「さあ、行くぞ……!」
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bkm
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