14

 先代王ならば間違い無く切られている。そう確信したからこそダリスは他の者達の免罪を求めた。

 ウッドロウは彼の息子だから。


「甘いかな、私は」

「ああ……王とするには、心配だな……」


 微笑を浮かべ、彼はゆっくり再び膝を付いた。

 マリーが寄り添い、今度こそ彼女に身を委ねる。


「ダリス……!」

「マリー……、良かった……」


 夫婦は多くは語らず、互いを確かめる。その姿からは二人の信頼関係が見て取れた。

 それからルーティが治癒術でダリスの傷を塞いだが、日頃の無理が祟ったのか彼の足元は覚束無い。それを見たリオンは、溜息と共に告げた。


「マリー、お前はこの国に残れ」


 彼の言葉に皆は驚き、集まる視線の中心に居る少年は少々居心地が悪そうに理由を話す。


「心配事を抱えたまま戦闘に立たれては足手まといになる。それだけだ、他意は無い」

「へー……ふーん……?」


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bkm

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