先代王ならば間違い無く切られている。そう確信したからこそダリスは他の者達の免罪を求めた。
ウッドロウは彼の息子だから。
「甘いかな、私は」
「ああ……王とするには、心配だな……」
微笑を浮かべ、彼はゆっくり再び膝を付いた。
マリーが寄り添い、今度こそ彼女に身を委ねる。
「ダリス……!」
「マリー……、良かった……」
夫婦は多くは語らず、互いを確かめる。その姿からは二人の信頼関係が見て取れた。
それからルーティが治癒術でダリスの傷を塞いだが、日頃の無理が祟ったのか彼の足元は覚束無い。それを見たリオンは、溜息と共に告げた。
「マリー、お前はこの国に残れ」
彼の言葉に皆は驚き、集まる視線の中心に居る少年は少々居心地が悪そうに理由を話す。
「心配事を抱えたまま戦闘に立たれては足手まといになる。それだけだ、他意は無い」
「へー……ふーん……?」
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bkm
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