13

「覚悟は出来ているな」

「……、ああ」


 場に重く鋭い緊張が走る。数十秒か、数十分か、その感覚さえも忘れてしまう程に沈黙は続いた。

 それを切り裂き、ウッドロウは告げる。


「――まずは、その怪我を治してからだ」

「……え?」


 その怪我というのは、ダリスがウッドロウから受けたダメージで間違いない。

 だが治してから、という言葉の意味をダリスは理解出来ないでいた。


「君も国を想う人間だ。そんな人間を、無下に死なすわけにはいかない」

「それは、だが……!」

「君を死なせない、それが私からの罰だ」

「…………」


 王となる男は笑顔だ。

 罰を与えるべき相手に救いを与えてどうするのかと、彼は叫びたかった。


「徹底的に話し合おうではないか、父とは違ったやり方で。相手が、未熟な私で申し訳なくはあるがな」

「ウッドロウ……」


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bkm

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