「ダリス・ヴィンセント……その覚悟、私が受け止めよう」

「……ああ」


 止めに入るマリーをルーティとフィリアが押さえ、二人の戦いへの緊張は高まっていく。

 スタンも飛び出しそうになるが、重い口調のディムロスに制される。


「……行くぞ、ウッドロウ・ケルヴィン!」


 駆け出すダリスに少し遅れて、ウッドロウも足を踏み出す。次の瞬間には金属音が大広間に響き渡った。

 手加減の無い戦いだという事は、すぐに分かる。


「ダ……リス……!」


 覚悟を理解した、理解してしまったから止められない。

 マリーは自分の不甲斐なさと、絶望的なこの状況に涙を浮かべ呪う。


「何故突然兵を挙げた! 答えろ!」

「父の真意は、私には分からん。だが、民を想っての決断だと、私は確信している!」

「では、王と私のあの会談は全て無意味だったという事か! 私では……私達では国の礎にすらなれないと!」

「――!」


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bkm

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