「いいか強行突破だからはぐれでもしたら回収は不可能だ。死にたくなければ死に物狂いで着いて来い」

「死にたくないから死に物狂いね……なかなかハードだわ」


 それでも進むしかない、それは皆が分かっている。

 眼で互いの意思確認をした後、彼等は静かに扉を開けた。


「――居ない?」

「みたいだね……。ていうかこの辺りに気配は感じないけど……」


 セシルの言う通り、敵の姿も無ければ気配も無い。

 隠れているという可能性もあるが、そのメリットも相手の方にはあまり無い。


「数では間違い無く向こうが上回っているし、城をよく知るウッドロウが居る……さっさと数で攻めてカタを着けた方が良いと思っていたんだが……」

「その考えは外れてしまった、か……。ウッドロウ、この辺りで何か変わった所は無いのかい?」


 首を傾げるセシルの問いにウッドロウは辺りをゆっくり見回した後、首を横に振った。


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bkm

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