ダーゼンと別れた一行は城へと続く地下通路を進む。
空気は冷たく足下には氷があり、天井には氷柱が生えている。
「さっむ……!」
「地下だから余計に冷気が溜まるんだろうね。食材なんかは凍るな、コレは」
「あぅう……チェルシーは平気なの?」
「はい! 子供は風の子って言いますから!」
ルーティの質問に元気にチェルシーは答えるが、矛盾が生まれる。本人は気付いていないのか、笑顔のままだ。
「コレ、城に着いたらちゃんと動けるかしら……」
「硬直状態の筋肉を急に動かすと怪我するからね……気を付けた方が良いかもしれない」
「肝に命じておくわ……」
セシルの話を頭にしっかり留め、彼女は冷気は何てことないらしいマリーに声を掛ける。
一行の雰囲気は相変わらずぎこちないが、スタンの明るさとフィリアの気遣いで纏まりは得ていた。
「……ハァ」
《大丈夫ですか、坊っちゃん》
「この程度の寒さ、どうって事は……」
《いや、そうじゃなくて――》
prev next
bkm
[back]