「リオン……私、怖いんだよ……」
「怖い……?」
突然の告白にリオンは適切な言葉が思い浮かばず、彼女の言葉を待つだけになってしまう。
情けないと思いながら、言葉を聞いた。
「自分が分からなくてね……何もかも嫌になってくるんだ……」
「セシル……」
呼吸は微かに速く、声色から追い詰められているのが分かる。
一体何が、そこまで彼女を蝕んでいるのだろうか。
「誰を信じたらいいんだろうって、くだらない事ばかり考えて、苦しくて、怖くて……」
何とか縛り出された声で、溢れた自分を訴える。
「こんなの初めてで……どうしたらいいか、分かんなくて……!」
何が出来る、そう何度も自分に問い掛ける。
「セシル……何が、あったんだ?」
答えは返って来ない。
信じてもらえていないからか。
「……僕はずっと、お前の味方だから」
だから、何時か。
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bkm
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