矛先を間違えていけない、彼はそう言う。


「ダリスと対話出来れば良いのだがな……」

「…………」


 俯くマリーの気持ちは皆は分かっているが、言える事は何も無い。

 全ては“その時”にならなければ分からない。


「殿下、我が軍は如何致しましょうか」

「ふむ……あまり人数が居ても動き難いだろうな。
 それに此処には民が居る。心の拠り所がすぐ傍に居た方が良いだろう」

「了解しました」


 話は済んだ、あとは体力と気持ちの問題。

 暫し休憩を取る事になり、皆はそれぞれの行動を始めた。スタンはチェルシーと共に街人に声を掛け、ルーティはマリーと二人きりになり、ウッドロウはフィリアと何やら難しい話をしている。

 リオンは、一人焚火の前で暖を取るセシルに声を掛けた。


「セシル……体調は大丈夫か?」

「ん……うん……」


 暗い為よく分からないが、声色を考えると顔色はよくないだろう。


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bkm

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