「……人の出入りが無く、且つ神の眼を安置出来る広い場所……というのはあるか?」


 彼の質問に、ウッドロウとダーゼンは地図を見つめ考え込む。

 暫く薪が弾ける音を彼等は耳にし、その沈黙を破ったのはダーゼンだった。


「時計塔はどうでしょうかな、殿下」

「時計塔か……確かに普段でも人の出入りは少ないな。それに彼処からなら街を見渡す事も出来る」

「それが本当なら、馬鹿は高い所が好きだと体現している様なものだな。それに奴の性格を考えると、余程の事が無い限り神の眼から離れる事はしないだろう」


 進むべき道が見えてきた。

 残る問題は、ダリス・ヴィンセント。


「ダーゼン、ダリスは城に上がっているか?」

「恐らくは。しかし武力に頼らず国を変えるなどと言っておきながら、あの様な輩と行動を共にするとは……」

「言うなダーゼン、彼にも考えがあっての行動だろう……。それに彼に最初に刃を向けたのは父上だ、彼を責める資格は私達には無い」

「殿下……」


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bkm

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