「彼等はグレバムの思惑からアクアヴェイルを救っている。きっと、私達にとって大きな希望になってくれるだろう」

「むう……では訊きたいのだが……」


 ダーゼンは改めてリオンに問う。


「グレバムとは、一体何者なのだ?」


 客員剣士の少年は信用を得るべく真実を明かした。


「奴は神官の身でありながら神の眼と呼ばれる国の遺物を盗み、世界中を逃げ回っているコソ泥だ。
 神の眼自体に巨大なエネルギーがあり、奴はそれを悪用し各地で卑劣な手を使い混乱を起こしている。アクアヴェイルの一件もその一つだ」

「ぬう……一概に信じられる話ではないが、奴が反乱軍を従えているのを確認した身としては納得せざるを得んな。
 今回の事件に置いて、セインガルド側はどう考えておるのだろうか」


 グレバムが反乱軍を焚き付けたとすれば、この反乱の責任の一端はセインガルドにある。

 だからリオンは王に代わり、何の形にもなっていない国の意思を告げた。


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