18

「私はハイデルベルグに行って、ダリスに会う」

「そっか……やっぱり思い出したのか」


 扉を閉め、彼は軽く笑いマリーを見つめた。


「変わるといいな、色々とさ」

「……ああ」


 門番の見送りが届かなくなるまで一行は口数少なく歩き続ける。

 降る雪の量も多くなり、暫く進んだ変わらぬ白い世界でウッドロウとチェルシーに合流した。


「無事……みたいだな」


 彼等の思い雰囲気に、ウッドロウの口数も少ない。

 しかし話さないわけにはいかず、セシルがサイリルであった事を彼に説明し始め、その時間を使い休憩を取る事にした。


「アンタさ」

「何だ」


 中心から少し離れた場所に居たリオンに、物々しい雰囲気のルーティが声を掛ける。


「マリーがアタシ達を裏切ると思ってんの?」

「……可能性はゼロじゃないだろう。マリーは義勇軍のメンバーだったどころか、ダリスの妻だ。コレで信じろと言う方が無理な話だ」


prev next

bkm

[back]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -