「私はハイデルベルグに行って、ダリスに会う」
「そっか……やっぱり思い出したのか」
扉を閉め、彼は軽く笑いマリーを見つめた。
「変わるといいな、色々とさ」
「……ああ」
門番の見送りが届かなくなるまで一行は口数少なく歩き続ける。
降る雪の量も多くなり、暫く進んだ変わらぬ白い世界でウッドロウとチェルシーに合流した。
「無事……みたいだな」
彼等の思い雰囲気に、ウッドロウの口数も少ない。
しかし話さないわけにはいかず、セシルがサイリルであった事を彼に説明し始め、その時間を使い休憩を取る事にした。
「アンタさ」
「何だ」
中心から少し離れた場所に居たリオンに、物々しい雰囲気のルーティが声を掛ける。
「マリーがアタシ達を裏切ると思ってんの?」
「……可能性はゼロじゃないだろう。マリーは義勇軍のメンバーだったどころか、ダリスの妻だ。コレで信じろと言う方が無理な話だ」
prev next
bkm
[back]