「お願い、マリーずっと悩んでたのよ。思い出さない方が良い事もあるかもしれないけど、そんなの自分を否定してるのと変わりないわ」
「ルーティ……」
彼女達の訴えに門番は頷き、町への道を開ける為に背を向ける。
「多分隊長に怒られるだろうけど、やっぱりマリーに俺達の事思い出してほしいよ。マリーが作ったポワレまた食いてーなって思うし」
「ポワレ……」
「ビーストミートのポワレ、お前の得意料理なんだぜ? あの味を出せるのはマリーしか居ないっておばちゃん達何時も言ってたよ」
扉を開け、彼はマリーに告げた。
「町の奥にマリーの家がある、目立つ壁の色だからすぐに分かるよ。
入れば、全部分かると思う」
「そうか……ありがとう」
町の中へと進む皆の後ろを着いて行くセシルは、隣のリオンに小さな声で心意を聞く。
「いいのかい、このままで」
「……マリーが義勇軍の一員だったとしても、それを有効に使うだけだ」
「そうか……」
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bkm
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