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 どうやら義勇軍内でのグレバムの存在に意見は分かれている様だ。そして話を聞く限りでは、ダリスもグレバムに良い感情は抱いていないのかもしれない。

 此処で声を大にしてグレバムの裏の顔を訴える事も出来るが、それには此方の身分を明かさなければならない。飽くまで情報を得るだけ、感情的になりやすいスタンをディムロスが抑える。


「もしかしたら隊長、マリーが記憶喪失だって気付いて国から出ていけなんて言ったのかな……」

「どうして、そんな……」

「それは……今の自分を見せたくないからとか……?」


 何か大きな何かを門番の彼は隠している。それを感じ取ったマリーは詰め寄った。


「なあ、私はダリスとはどんな関係なんだ?」

「……マリーは、記憶を取り戻したいのか?」

「当たり前だ。この、胸が苦しいのも、哀しいのも、私は理由が知りたいんだ」


 やはり彼女は苦しんでいたのか。

 ルーティが、マリーの訴えに助力した。


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bkm

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