「私は身を隠しておく。雪に慣れていない君達は少し身体を休めてくるといいだろう」

「ウッドロウ様、私もお供します」

「……分かった。リオン君、後は頼んだ」

「分かった」


 ウッドロウとチェルシーが木々の奥へと向かったのを確認し、リオン等はサイリルの門へと近づいた。


「ん、お前達は旅人か?」

「ああ、ハイデルベルグを経由してセインガルドに出ようと思っているんだが……」

「そいつは無理だな。国境は閉鎖中だし、ハイデルベルグも旅人を受け入れる余裕は――」


 説明をする門番は突然言葉を切り、口を半開きにしたまま一点を見つめていた。

 その一点は、首を傾げているマリー。


「お前……マリーか!?」

「え……?」

「無事だったんだな!? 良かったー……今隊長町に居るから、ちょっと待ってろ!」


 笑顔の門番は慌ただしく関係者用の扉から町に入り、残された皆は呆然と雪の中で立ち尽くしていた。


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bkm

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