「……スタン、四つん這いになれ」
「え?」
スタンが雪の上で四つん這いになると、リオンは無言で彼の背を足場にして跳び、ベアに斬り掛かる。
彼等らしいコンビネーションだと、セシルとルーティは思った。やり方は置いておくとして。
「ふぅ……一網打尽です」
ベアを全て倒し、皆は一息をつく。
そんな中、チェーンがマリーと雪に倒れるベアを前にして何やら話に花を咲かせていた。
「時間があれば持って行きたいが……無理だな」
「そうですねぇ、コレだけあったら毛皮に保存食に色々出来ますしね」
なかなかワイルドな会話が終了した後、彼等は再び義勇軍の拠点であるサイリルへと足を進める。
次第に風は強くなり、順調だった歩みは徐々に鈍くなっていく。
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