森の中を進んでいると、マリーが足を止め周りを見渡し始めた。

 何か居るのか、皆も息を殺し警戒する。


「……来るぞ!」


 マリーが斧を抜き叫んだ直後、木々の向こうから白いベアが数体飛び掛かって来た。雪という慣れない土地柄と派手には動けないという状況の中、戦闘は開始する。


「派手に動くのも長引かせるのも御法度だからな、分かったかスタン」

「な、何で俺だけ?」

「お前が一番騒がしいからに決まってるだろ」


 今回はリオンが正しい、セシルとルーティは声に出さず納得する。

 戦闘は主に、雪に慣れているウッドロウとチェルシー、そしてマリーを中心に行われた。


「チェルシー、私に合わせてくれ」

「はいっ」


 弓を構えたウッドロウとチェルシーが同時に矢を放ち、一体のベアの両眼を射抜く。仰け反り正面がガラ空きになった一瞬の隙にマリーが飛び込み、喉を狙い斧を奮った。


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bkm

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