「町の中で戦闘になった場合、屋根の上は重要な拠点となる。その為に何時でも動き易くなるようにするのは当然じゃ。
伝説の傭兵ならば知っておるじゃろう?」
そこまで言われたら“伝説の傭兵”ならば立ち上がるしかないだろう。
実際、慌てて立ち上がり大きく頷いた。
「とと、とーぜんだ! 傭兵としての初歩の初歩ではないか! 行くぞ二人共!」
「が、がってんでヤンス!」
「り、了解!」
慌てて三人が宿を出て行った所で、皆はアルバに歩み寄る。
彼は笑っていた。
「食った分は働いてもらわんとな」
「おじいちゃん……あの人達が傭兵じゃないってどうして分かったの?」
「ワシ程になれば、顔を見れば分かるものなんじゃよ」
弓匠の通り名は伊達ではないようだ。
《思ったんだけど、漆黒の翼ってさ……》
《ええ、そうね》
《エリート部隊の筈だったが……》
《ま、今の世にまで伝わっていると考えるだけでも凄い事じゃろうて》
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bkm
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