彼らしくない言葉に驚いていると、ある事に気づき言ってみた。
「もしかして、シャルティエの入れ知恵かい?」
《あ……》
「う……どうして、分かったんだ……」
「君は恥ずかしがり屋だからね、そういう事は言わない気がするんだ」
笑顔で思った事を素直に告げると、図星だったのか少年は顔を赤くし俯いている。
それを見てセシルは安心し、同時に何とも表現し難い感情に襲われた。
「……セシル、顔色、悪くないか……?」
「――! そんな事は……ああでも、私も女だからね、体調を崩す事もたまにあるさ」
「……そう、か……。実はマリアンによく言われるんだ、セシルは女性なんだから気遣いは忘れずに、ってさ」
「マリアンらしいね。そういえば、もう少し女性らしい格好してみたらって言われて事あったっけ。
私が女の格好しても似合わないと思うんだけどな」
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bkm
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