スタン、フィリア、ウッドロウの三人が宿を出た後、ルーティがぼんやりしているマリーに改めて声を掛けた。
「マリー、ちょっと外の空気吸わない」
「……ああ」
そうして彼女達も宿を後にする。
残されたのは、リオン、シャルティエ、セシル。
「……君さ、酔ってたでしょ」
「…………」
「ずっと皆と一緒だったから……我慢してたよね」
「……寝る」
今日一番の深い溜息を吐き、リオンはベッドに横になった。セシルは隣のベッドに座り、息を吐く。
「マリアン心配してるかな……」
「多分……してる、かもな」
「だね……終わったら、お土産とか買って帰ろうか」
「そんな暇は無いと思うが」
「それは残念」
激動の合間の一時はとてもゆったりしている。
リオンは、横目で彼女を見つめた。
《坊っちゃん、一種のベッドになっちゃったらどうです?》
「雪に埋めるぞ……」
《し、洒落にならないです……》
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bkm
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